彩絵木雕博戲俑(甘粛省武威市出土)
西漢(前202年~後8年)

二千余年前の双六対戦木彫像である。超乾燥地帯である甘粛省では、埋蔵文化財はおろか、恐竜の全身骨格まで出土し、その保存状態は極めて良好である。甘粛省博物館は国宝の「銅奔馬」が最も有名であるが、首長竜の全身骨格展示のある恐竜部門は、全部が本物だけに圧倒されるが、訪れる人は少なく、余りの関心の低さには「本物をこれほど持っていると恐竜など珍しくもないのか?!」と、骨片一つがニュースとなる国の人間としてはジェラシーをさえ感じさせられる。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)