針灸画像石 東漢(紀元25~220年)

鍼灸治療の祖とされる戦国時代の名医、渤海郡(中国東北地方)鄭の人、扁鵲(へんじゃく)が鳥の姿をして、貴婦人と思われる病人に針を打つ図柄である。馬に乗る辮髪の武人像、長髪の侍女像はアジア北方民族の習俗を示している。本石刻は中国北方で発見されたが、扁鵲を誇りとする古代の同地方の人々の心情が偲ばれる。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)