釈迦弁尼佛 清(紀元1616~1912年)
中国チベット自治区ラサにある古寺、大招寺(ダイショウジ)(チョカンJo Khang寺)の回廊に描かれた釈迦弁尼佛である。チベット統一を果たし、吐蕃王国を建設した英雄ソンツェンガンポ王(581~649年)がネパールから迎えた王妃が建立したと伝えられ、唐代の建築がそのまま残っている。回廊に描かれた佛画は、他寺のチベット佛教美術特有のオドロオドロしい表現のものがほとんどなく上品で、さすがチベットを代表する名刹の文物と感心させられる。
Photo & Text by 吉村 信(福井市)