旋紋帯流彩陶壺
馬家窯文化半山類型(4500年前)

中国大陸では、紀元前1万年頃に氷河期が終り温暖化を迎えた。黄河流域では紀元前6000年頃になると、仰韶文化と呼ばれる初期農耕文化が黄河中流域の黄土高原地帯を中心として生まれた。この文化は、1921年にスウェーデン人の地質学者アンダーソンが河南省で仰韶遺跡を発見したことに由来する。仰韶文化の人々は、淡紅色の地に文様を施した、彩陶と呼ばれる精製土器を用いたため、彩陶文化とも称される。又、これらの彩陶は発見者の名前をとってアンダーソン土器とも呼ばれる。
甘粛省博物館は、このアンダーソン土器のコレクションでは中国一と言ってよい施設で、小生は三度にわたって訪れているが、毎回、そのモダンアートにも通ずる斬新なデザインには圧倒される。当館は、恐竜や翼竜の全身骨格が多数展示されているなど、古いものなら何でもござれのユニークな博物館である。しばらくは、甘粛省博物館の名品を紹介させて頂く。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)