東魏彩絵造像背光飛天
山東省(紀元535~556年)

中国の佛教遺跡といえば、敦煌などの「飛天」がまず思い起こされる。
西洋のキューピットに似た天人が雲崗第十二窟(音楽洞)の天井にみられるが、時代が下り東魏となると、下半身に長い裳がからみつき、その末端には翼のような形の尾を引いている。長い天衣が風になびくが如き飛翔の様は誠に典雅である。日本の「羽衣伝説」の起源は飛天に遡るのであろうか。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)