雲崗第20窟 大佛坐像

今回からは、中国一の佛教遺跡として知られる雲崗石窟の諸佛を御紹介する。
雲崗石窟は北魏の興安2年(453年)に文成帝の命により高僧曇曜が開鑿したのが始まりとされ、終了は正光年間(520~524年)とのことである。初期のものは仏教の発祥地、印度からの影響が強く、佛像の顔貌・衣裳はエキゾチックで非常に魅力的なものが多い。本像は中国で最も有名な高さ14mの本尊佛像で、窟頂が崩壊し損傷を被るものの、昂揚する北魏仏教のエネルギーを如実に反映し、雲崗石窟を象徴する彫像として、いまもなおゆるぎなき偉容を誇っている。

Photo & Text by 吉村 信(福井市)